今回も前回、前々回に引き続きスマホのレビューとなるが、この記事ではもう一つのメイン機として使用している「Galaxy Note20 Ultra」についてである。
前回までの記事はこちら。
当レビューの目的
今回のレビューは主に他ブログの二番煎じみたいにならないため、そして洗いざらいレビューをするというよりかはあくまでも Galaxy Note20 Ultraのスマホとしての傾向を考察することがメインのレビューであるということを最初に伝えておく。
おことわり
当記事で扱うGalaxy Note20 Ultraは所謂大手キャリアで取り扱っている「キャリア版・国内版」ではなく「香港版・SIMフリー」、つまり輸入スマホである。そのため国内販売されているものとはいくつか相違点があることだけを最初に伝えておく。
Galaxyシリーズについての想い
実はGalaxyシリーズ自体を使用するのはGalaxy S8以来の2回目である。当時のGalaxyシリーズといえばスマホの成長期、及びエッジディスプレイ黎明期真っ只中だったこともありまだ詰めの甘いスペックと無駄に主張の激しいエッジスクリーンによる扱いづらさによって良い印象を持つことはなかった。(せいぜい褒められたところは音質程度)後に中華スマホを使うようになってその扱い易さと完成度にベタ惚れしたこともありGalaxyシリーズには全然期待は寄せていない。
今回再びGalaxyシリーズを手にした理由はアメリカ政府による中華企業への制裁により中華スマホの立ち位置を危惧したことで実質「逃げ」としてである。
Galaxy Note20 Ultraのスペック
以下がNote20 Ultraのスペック表である。
基本情報 発売日 国内版(au):2020年10月15日
国内版(docomo):2020年11月6日
海外版:2020年8月21日 価格(円) 海外版:138000〜(定価)
au版:159830
docomo版:145728 重量(g) 208 サイズ(mm) 164.8×77.2×8.1 ディスプレイ性能 画面サイズ(インチ) 6.9 解像度(ピクセル) 3088×1440 画面種類 有機EL リフレッシュレート(Hz) 120 最大輝度(ニト) 1500 内部性能 CPU Snapdragon865+ メモリ(GB) 12 ストレージ(GB) 256 バッテリー(mAh) 4500 充電速度(W) 45 カメラ 搭載数(メイン+セルフィー) 3+1 メインカメラ画素数(MP) 標準: 108
望遠:12
広角:12 セルフィーカメラ画素数(MP) 10 フラッシュライト 1 ※目視できる限り 付加機能 防水性能 防水 IPX5/IPX8 防塵 IP6X ワイヤレス充電 ○ デュアルSIM ×(国内キャリア版のみ、海外版では使用可能) 生体認証 画面内指紋認証、2D顔認証 Felica ○(国内キャリア版のみ) FMラジオ × ワンセグ × OS OneUI(カスタムAndroid) その他独自仕様 MicroSD(最大1TB)、5G、ペリスコープ望遠、Sペン、DeX
スペック評価
- 値段の高さも含め全てのスペックが最強クラスのスマホ。筐体の美しさと価格で所有欲も自尊心も満たされる。
- グローバル版ではFelicaを、キャリア版ではデュアルSIMとキャリアカスタム
のクソ仕様さえ妥協すれば非の打ち所のない仕上がり。 - 標準カメラには108MPの驚異的な画素数のセンサーを搭載している。(画素数多めのプロ向けカメラのおよそ2倍ほど)センサーサイズも全スマホ中最大クラスの1/1.33型のものを採用。
それでもコンデジより小さいが… - Androidスマホでケチられがちな広角カメラ、望遠カメラ用センサーも12MPとスマホカメラとしては必要十分な性能を有していることはありがたい。
- 余談だが端末を振るとカラカラと音がする。これはカメラレンズが動いている音でおそらく手ぶれ補正のためと思われる。
- Sペンという専用のスタイラスを搭載しているため120Hzのリフレッシュレートと相まってiPad Pro寄りの使い方も可能。活かせるアプリがあるのであれば…
Galaxy Note20 Ultraの外観
背面はすりガラス加工がされていてゴージャスな仕上がり。そして下の方には海外版限定のSAMSUNGのロゴマーク。(日本版はなぜかGalaxyに置き換わっている)※キャリア版には別途規格マークやキャリアロゴなり5Gという記載が追加されている。
ディスプレイ側にはパンチホールカメラが一つ。ベゼルは下>上>側面の順で細くなっていくAndroidスマホのテンプレ仕様。
上部にはマイクとSIMスロット。
下部には左からSペン、Galaxyシリーズおなじみの縦長スピーカーホール、Type C端子、受話マイクが並んでいる。
右側面には下側(写真の左側)に電源ボタン、上側(写真の右側)にボリュームボタンがある。
左側には何もなし。
カメラは安定の縦並び方式。上から広角、標準、ペリスコープ望遠レンズが並んでいる。その右側にはフラッシュライトと3Dセンサーが配置されている。
そしてGalaxy Note20 Ultraのチャームポイントとしておなじみになっているカメラの出っ張り。なんと約50円玉1.5枚分の厚さ。タフネス系のケースでもない限りカメラ部分のカタツキは不可避。レンズカバーは普通にガラス製と思われるため結構あっけなく傷が入る。マジで完全な保護は至難の業。
そしてGalaxy Noteシリーズの看板機能のSペン。使用中の場合本体の下左側に収納されている(左利きなあなたにとっても優しい仕様)。Sペンの頭を押し込むことで取り出すことができる…
表面?には各種機能を使用するためのボタンがあるのみ。ワイヤレス充電に対応させるためにSペンの頭とボタン以外はプラスチック製。
裏面にはシリアル番号と思わしき印字以外何もない。
ペン先はゴムっぽい素材でできている。そのためiPadとApple Pencilのように別途フィルムを貼って描き心地を向上させるという手間なしで、適度な摩擦感を得ることができる。
こちらがノックをする部分。何にもこれ自体には機能は割り振られてはいない。残念。Sペン自体は収納時にマグネットで固定されるためペンを取り出す時に迫り出して取りやすくするためだけに存在している模様。
そのためSペンは本体との隙間に無理やり爪をねじ込んで引っ張っても外せる。
Galaxy Note20 Ultraの使用感
Galaxy Note20 UltraにはOneUIというカスタムAndroidがインストールされている。Androidということで当然の如く高いカスタマイズ性を誇りそれに加えてサムスンによる追加カスタムのおかげでとにかく痒い所に手が届く?が、流石にroot化しない限りは何でもかんでもこなせるわけではないため過信と過度に期待することだけは禁物。
流石のタッチ精度
Android界の重鎮かつ世界シェア1位という肩書きは伊達ではない。タップの追従性は120Hzのリフレッシュレートと相まって抜群に高い。
いつもの画面に徐々に指の腹を近づけてどのタイミングで反応するかを測るテストでは、画面に指が触れた瞬間に反応するという結果だった。やはりこの点でもレベルが高い調整がなされている。
みんな大好き「Lightningケーブル」を使ったケーブルでの誤操作テストでは、Google Pixelと同じような傾向でグニュんグニュん動いてしまう。これを防ぐのがいかに大変なことかが容易に想像できる。
キーボードでのパームリジェクションテストに関しては全く誤操作は起きなかった。どちらかというと筐体の角に親指の腹がいい感じに引っかかって届いてすらいないという印象。そのため持ち手の反対側には片手では到底届く気はしない。
タッチ操作については普通に合格点。Type C端子にケーブルを挿しているときに気をつけてさえいればストレスを感じることはないだろう。
システムの扱いやすさ
機能控えめなAndroidを超強化したOSなだけあって設定項目には一般的に使いたいだろう機能がしっかり抑えられていて抜かりがない。強いて不満点を挙げるとすれば今までは例えば iPhoneでしか使えなかった便利機能などを積極的に取り入れつつ、とことんいいとこ取りをしてきている中華スマホ勢(特にXiaomi、Huawei)が搭載しているカスタマイズ性と比べれば見劣っている感が拭えないところか。
iPhoneやGoogle Pixelシリーズとは違いOS単位でキャリア情報を認識して機能制限されることはないため、ほぼ全てのSIMカードを挿しても不自由なく使える。(もちろんキャリア版の場合は対応バンド自体を潰されている場合があるので使えないSIMが出てくるが…)
2枚目SIMスロットはマイクロSDカードスロットとの排他式。そのためSDカードとデュアルSIMの同時使用は原則不可能な点は普通にデメリット。(とある海外版の場合はeSIMに対応しているため多少はカバーできるが…)
独自機能であるGalaxy DailyやBixbyはSNSが大好きな陽キャやパリピでもない限り正直に言って実用性がない。その上純正ホームアプリ(ランチャーアプリ)を使用していると否応なく付き合わされる、ただし幸いOneUI3.0でサードパーティーテーマを使用しても各種ジェスチャー機能に制限がかからなくなったため別にランチャーアプリを用意してお。
Galaxyシリーズ専用のアプリストアであるGalaxy Storeには他のAndroidでは受けられない特別待遇が用意されたアプリがちらほら存在する。(例えばCLIP STUDIO)そしてフリーフォートナイトを謳って自滅したエピック製のゲームをストアから簡単にインストール可能な点もでかい。
その他
Galaxy S6から始まったハイエンドAndroidの証であり、見た目のかっこよさ以外で何の取り柄もないことで有名なエッジスクリーンはディスプレイの領域が全盛期に比べると相当控えめなため使用感に響いていない。そのためエッジスクリーンに偏見を持っているユーザーでも問題なく使用可能。
生体認証が「画面内指紋認証」「2D顔認証」と両者ともに精度に難あり(2D顔認証は早いがセキュリティの問題で)。美しさのためにS10+にはついていた3Dセンサー付きのパンチホールカメラすら捨ててみせた覚悟は称賛するしかないだろう(皮肉)。画面内指紋認証も精度が非常に低く、おまけに搭載位置も中途半端にディスプレイ真ん中寄りなためミスが多くなりがち。中華スマホ勢の方が安くても同機能を搭載しているのにもかかわらずそちらの方が速いとはいったい何事…
Galaxy Note20 Ultraのカメラ
Galaxy Note20 Ultraといえばスマホ中でもトップクラスのセンサーサイズとぶっ飛んだ解像度を誇るカメラを持つスマホである。今回はカメラの素の性能としてお馴染みのSNOWというアプリと純正カメラアプリでその実力を確かめてみる。
明るい環境での撮影
おそらくSNOWの方は12MP撮影モードで撮影しているのか拡大してみると解像感が純正アプリでの撮影よりも粗く見える。純正アプリの方が影の濃淡がはっきりと表現されているため少し印象が暗め。
暗い環境での撮影
両者ともに背景の一部が被写体の色(もしくはカメラレンズ周りのフレームの色)に引っ張られてしまっていて、印刷したての画像に水がついて滲んでしまっているような仕上がりなため使い物にならない。
そして純正アプリの方は影がほぼ完全に消えてしまっているため写りも不自然。ノイズは十分に消せている分この点が非常に残念。
その他オートフォーカスがもっさりだったり全レンズともに若干遠視気味な点が使っていて気になる。ベストショット機能もいちいちうるさいため総じて扱いづらさが目立つ。プロモードでの撮影を積極的に使用すば当然このデメリットもある程度はカバーできるため玄人向け。
一眼カメラやコンデジを所有しているユーザーのサブカメラとしては優良。思い立った時にすぐに取り出して撮影できるスマホの機動性をフル活用しない限りはこの先生きのこれないだろう。
Galaxy Note20 Ultraの総評
Galaxy Note20 Ultraは長所はとことん素晴らしく短所はとことん酷いというかなり尖ったスマホという印象を受けた。その悪いところも有り余っている良いところでカバーできているため、やはり世界シェア1位のメーカーのクオリティーは伊達ではなかった。
とにかく扱いやすさと堅実さをメイン機に求める私みたいな異端のスマホユーザーでもない限りは満足することは間違い無いだろう。
まとめ
今回はGalaxy Note20 Ultraをレビューしてきた。どちらにせよ今までと変わらず私には刺さるスマホではなかったが、持っているだけでワクワクさせてくれるスマホであることは間違いのない事実である。
Note21シリーズの発表(Noteシリーズ廃盤の噂はあるが…)を楽しみにしながらこの記事を締めくくろうと思う。