2020年11月12日にSONYからPlaystation 5が発売されてもうすでに入手している方もいるだろう。しかし現状(2021年1月14日時点)は品薄状態で未だ多くのユーザーの手には行き届いてはいない。安定入手方法も転売ヤーからの購入くらいであるため私も含めて転売に屈しない派は抽選販売の情報を集めたりと、入手には骨を折っている。そのこともあり未だにPlaystation 4(以下PS4)の需要も高いと見ているので今回はPS4の内蔵ハードディスクをSSDへ換装及び換装のメリットを紹介していこうと思う。
目次
実際に内蔵ハードディスクをSSDに換装してみる
当記事ではハードディスクとSSDの構造等の説明は省くが、PS4ではデフォルトでハードディスクを搭載している。ハードディスクは古くから存在する記憶媒体で、今日では容量あたりの値段に優れるがデータの読み込みや書き込みが遅く稼働音もうるさいのが特徴である。特にPS4では高画質高音質化に伴いゲームデータが非常に大容量であるためにハードディスクの場合どうしてもゲームのロードに時間がかかってしまう。
一方SSD(Solid State Driveの略)はハードディスクに比べるとだいぶ新しく、ハードディスクよりも高速の読み書きが可能な上に稼働音もしない次世代の記憶媒体だ。
SSD換装のメリット
- ゲームの読み込み速度の向上
- PS4本体の起動時間の高速化
- 動作音の静音化
- 稼働部分がないため多少消費電力が減る
やはり最大のメリットはゲーム読み込み速度の向上だろう。こちらのミスにより実際にはSSDに換装後の体感速度しか分かってはいないのだが、他紹介サイトでの内容からの統計によると内蔵ハードディスクをSSDに換装することでゲームのロード時間は20〜30%ほど短縮される。例えばハードディスクでの読み込み時間が30秒だったとするとSSDに換装することで21〜24秒に短縮されることになる。
書き込み時間自体も高速化できるためアップデートのインストール(ダウンロード速度は通信速度に影響されるため回線速度によっては差が発生しない)時間も短くなるが、ゲームカセットからのインストール時間はカセット自体の読み込みの遅さが足を引っ張るためインストール時間にほぼ差はない。
ロード中は大抵何もせずにじっと待つことが多いと私自身は勝手に思っているため、割合だけで見ると少なく見えるが実際はこの時間短縮のおかげで待ち時間ストレスは大分に軽減される印象を受けた。
実は上記のメリットについては外付けSSDにゲームデータをインストールした場合でも同様に恩恵を受けることができる。ここからは内蔵ハードディスクをSSDに換装した時のみにえられるメリットを紹介する。
外付けSSDでの高速化の場合はPS4自体が起動するために必要なシステム(以下OS)は内蔵ハードディスク上に存在することになるのだが、それによりSSDに換装した際と比べてもPS4の起動時間がどうしても遅くなってしまう。いかに実測値を掲載する。
そして何よりハードディスクを内蔵しなくなることによりハードディスクが発する稼働音がなくなることによる静音化(ただしゲームカセットを使用している場合は光学ドライブの稼働音が発生する)やハードディスクほどの大掛かりな稼働部分がなくなることによる省電力化が期待できるのも、SSD換装することでしかえられないメリットとなる。
SSD換装のデメリット
- SSDの購入費用が別途必要
- 壊れた際のリスク
- 別途工具を使用した作業が必須
外付けSSD、SSD換装共通の事項になるが、当然PS4はデフォルトでハードディスクが内蔵されているため、SSDを別途購入する必要がある。登場当時に比べれば大分に低価格化が進んで入るが、未だにハードディスクと比べれば容量あたりの単価が高く、安く済ませようとすると記憶容量を妥協しなければならなくなる。
またSSDはハードディスクに比べると登場からの期間が浅いため具体的な修理・データ救出方法が確立されておらず万が一の故障時にデータ救出に膨大な費用が発生する。事前にバックアップを定期的にすることでこれの被害を最小限に防ぐことはできるが追加で「バックアップ用のHDDやSSD」、「交換用のHDDやSSD」を別途購入することになる。
ここからはSSD換装のみのデメリットとなるが、ハードディスクから換装するとなると当然ハードディスクを取り出してからSSDに差し替えるという軽い分解作業と新規でPS4のOSインストールが必要になる。
実際に内蔵ハードディスクをSSDに換装してみる
今回使用するものの紹介
・PS4(今回使用するのはPS4 Proだが執筆時点で生産終了しているためリンクは貼らない)
PlayStation 4 ジェット・ブラック 500GB (CUH-2200AB01)
・SSD
シリコンパワー SSD 512GB 3D NAND採用 SATA3 6Gb/s 2.5インチ 7mm PS4動作確認済 3年保証 A55シリーズ SP512GBSS3A55S25
BUFFALO USB3.1(Gen1)ノックスライドUSBメモリ 32GB ピンク RUF3-KSW32G-PK
・バックアップ用の外付けHDDかSSD(当記事では新規セットアップをするためバックアップ方法については言及しない)
・精密ドライバー(+ドライバー)
【マーサ・リンク】 45 in 1 (42bits) トルクス ドライバーT3~T25Y字 星型ドライバー他 特殊工具JK-6089-A (2014 NEW STYLE)
・PS4のOSデータ
・パソコン
手順1 データのバックアップ
すでに使用中のPS4での換装の場合は事前にバックアップを取っておくことで後のデータ引き継ぎの手間をある程度省くことができる。今回は新規インストールを行うためここの説明は省くことにする。
手順2 PS4インストーラーの作成
パソコンにUSBメモリを接続してユーティリティにてフォーマットを行う。(私はWindowsパソコンではなくMacを使用しているためそちらで解説するが基本手順は同じ)
USBメモリをFAT32かexFATにフォーマットする。ここはパーティーションマップを正常に動作するかわからないままGUIDパーティーションマップを使用している。基本的にはマスターブートレコードが推奨される。
USBメモリのフォーマットが完了してからUSBメモリを開きPS4という名前でフォルダを作成する。作成したフォルダを開きその中にさらにUPDATEという名前でフォルダを作成する。そのフォルダを開きその中にダウンロードしてきたPS4のインストールデータを転送する。
手順3 内蔵ハードディスクの取り出し、SSDへの換装
PS4の内蔵ハードディスクの位置は機種、世代によって異なるが、今回使用するPS4 Proでは本体の端子類がある面の左側にある。
おそらくこのネジを外すことで取り出すことが可能だと思われる。サイズはおそらく2.0を使用すれば開けられそうだが、どう考えてもドライバーをさせる状況ではない。試しに無理やり斜めに差し込んでみたが回る気配はなし。
諦めて換装方法を検索したところ、どうやらこのネジ周辺についているカバーは普通に外せるということがわかった。この無駄な苦労はなんだったのか…
カバーはカバーの右フチにある矢印の方向に引っ張ることで外すことができるが意外と固い。本体をカバーがある方を下にして立てて矢印の方に回すように引っ張ると外すことができる。
外すことができたらようやく例のネジを外してハードディスクマウンタとご対面。ハードディスクはマウンタと4隅がねじ止めされている。このネジ4本を外すことでハードディスクを取り出すことができる。
ハードディスクを取り出したら逆の手順でSSDをマウンタに固定する。大抵ハードディスクよりもSSDの方が厚さが薄いため浮かせた感じでの固定となるのである程度軽くねじ止めして位置を決めてからしっかりと固定するとやりやすい。
後は先ほどのハードディスクを取り出すのと逆の手順でPS4に装備したら換装は完了、ここからの手順はOSのインストールとなる。
手順4 OSのインストール
PS4本体に電源ケーブルとHDMIケーブルを配線後、手順2で用意したUSBメモリを接続してPS4を起動させる。この際USBメモリの形状によってはPS4のフレームと干渉してしっかり刺さらないことがある。PS4 Proの場合は裏側にもUSB端子があるので今回はそちらを使用した。PS4の場合はUSBメモリの形状を考えて用意するか延長ケーブルを使って回避する必要がある。
起動させた後は画面に表示された手順通りに進めれば迷うことはないだろう。(ちなみにGUIDパーティーションマップでも正常にインストールが完了できた。)
まとめ
SSDへの換装も終わったところで当記事をまとめると、
- PS4をハードディスクからSSDに換装することで読み込む速度が速くなって快適
- SSDは外付けにするよりも内蔵させたほうがより快適になる
- 換装手順はしっかりと予習してから作業しよう
- SSDの故障と転売ヤーに気を付けろ
また機会があったらPS4関連の記事を執筆することにする。それではまだまだ現役なPS4で楽しいゲームライフを。
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