Apple Watchの登場で一般への普及が本格化したスマートウォッチ。スマホに来た通知をすぐに見たり、健康管理、もちろん腕時計としてもユーザーをサポートする補助に特化したガジェットである。
私自身もApple Watch Series6の愛用者であるが今回はそのレビューとスマートウォッチに多額投資が不要な理由について紹介する。
私のApple Watch歴は3〜4年ほどあるためメリットデメリットを挙げるとキリがなくなるため、今回それらの点に関してはそのうちのいくつかを抜粋する。
Apple Watch Series6のスペック
以下がスペック表。
基本情報 スペック ・発売日 2020年9月18日 ・価格(円)
※最大価格はApple Careを含むアルミニウムモデル:47080〜76560
ステンレスモデル:80080〜99660
チタニウムモデル:91080〜116160
エルメスモデル40mm:147180〜178860
エルメスモデル44mm:152680〜166760・重量(バンドを除く)(g) アルミニウム40mm:30.5
アルミニウム44mm:36.5
ステンレス40mm:39.7
ステンレス44mm:47.1
チタニウム40mm:34.6
チタニウム44mm:41.3・サイズ(バンドを除く)(mm) 40mm:40×34×10.7
44mm:44×38×10.7ディスプレイ ・画面サイズ(mm) 40〜44 ・解像度(px) 40mm:324×394
44mm:368×448・画面種類 LTPO OLED ・リフレッシュレート(Hz) 1〜60 ・最大輝度(nit) 1000 内部性能 ・CPU S6 SiP ・メモリ(GB) 1 ・ストレージ(GB) 32 ・バッテリー(mAh) 40mm:265.9
44mm:303.8・充電速度(W) 5 付加機能 ・耐水 ○ ・ワイヤレス充電 ○(独自充電器のみ) ・モバイル通信 GPS、セルラーモデルのみiPhoneと連動したeSIM対応 ・生体認証 × ・Felica ○ OS WatchOS その他独自仕様 コンパス、高度計、血中酸素濃度ウェルネス、心拍センサー、サファイアクリスタルディスプレイ(ステンレス、チタニウムモデルのみ)
Apple Watch Series6の外観
今回紹介するモデルはアルミニウム44mmモデル。発売日から使っているためバンドは汚れている。
腕と接触する部分には複数の生態センサーが搭載されている。その周りを取り囲むようにApple Watchについての説明が記載されている。


側面にはサイドボタン、マイク穴とDigital Crownが搭載されている。反対側にはスピーカー穴が2基用意されている。
【メリット】Apple Watch Series6は右腕装着が快適
Apple Watchの目玉機能の一つとして知られているのが、「Felica」によるお財布化だろう。これを利用することにより財布もスマホも取り出さずに決済をすることが可能となる。
しかし一般的な電子決済機は『右手に持った電子マネーをかざす』ことを前提に設置されているため、決済機も改札機も右手側にある。腕時計は普通左手に装着するためこのままでは左腕を右側まで交差させなければならない。
そこでApple Watchを右腕に付け替えてみよう。そうすることで腕を交差させるという不快な動作をする必要なく決済が可能となるのだ。
【メリット】コンプリケーションでさらに便利に
Apple Watchの文字盤には「コンプリケーション」というアプリショートカットを設置する機能がある。これを用いて文字盤をカスタムすることで、腕時計を見る動作一つで時間に加えて追加で他の情報を収集することが可能となる。


これはあくまでも私の例。
メイン文字盤
メインにしている文字盤は「インフォグラフモジュラー」というデジタルと型式の中で最大のコンプリケーション搭載数を誇るもので情報量と機能面を重視している。
中央には最大サイズのコンプリケーションが設置可能で、そこに現在地の天気予報が見られるようにしている。
右下の心拍数は本業での仕事疲れで動悸が酷くなっていた時にセットしてそのままになっているもの。
下中央の電卓は仕事で使うので置いている。(ボタンがちっちゃいが、スマホや電卓を取り出すよりも素早く対応できることと、小さいなりにそこまで使いにくくはないため採用している。)
左下はフィットネスリング。
サブ文字盤
サブで使用しているのはデジタルと型式の文字盤で唯一秒単位で時刻を表示できるもの。逆に言えばそのためだけに使っている。
真ん中には文字盤固定のアクティビティリング。その右側は同色の項目に対応した数値。
メイン文字盤同様よく使う電卓を右上に配置。(実質ここにしけ置けない)
下の横長のスペースに日付を表示させることで情報量の強化。
両文字盤にバッテリー残量を左上に表示させることでそこまでもたないApple Watchのバッテリー管理に注意することができる。
このように文字盤をカスタムすることで自分自身の生産性を強化することができ、さらに持ち物を減らすことも可能。
【デメリット】健康補助機能は基本使わない
Apple Watchの目玉機能の一つである健康補助機能だが、実際のところほとんど使用することはない。フィットネスリング達成くらいなら生活の中に取り入れてみてもすんなり馴染んでくれるのだが、「心拍数」「深呼吸」「血中酸素濃度ウェルネス」などの専門的なものに関しては生活に馴染ませること自体が難しいからだ。
健康補助機能以外にもApple Watchの中には実用性がほとんどないアプリが多数用意されているが、基本的におもちゃとして適当に遊んでみるくらいでしか実際のところ使うことはないだろう。
【デメリット】右腕装備は慣れが必要
【メリット】Apple Watch Series6は右腕装着が快適の項目でも触れている「右腕装備」だが、左利きに生まれて右腕に腕時計をすることが当たり前だったユーザー以外にはかなりの障害になる。慣れた分の見返りは十分に大きいのだが、わざわざそこまでしてまでApple Watchに自分自身を最適化するのであればポケットからスマホを取り出せばよくなてしまう。
どうしても右手装着に慣れたいのであれば、時間を見る用途だけのために左腕に腕時計をしてみてはどうだろうか?そこまでする価値が見出せるのであればだが…
スマートウォッチに多額投資が不要な理由
ここまではApple Watchのレビューをしてきたがここから本タイトルにもなっている『スマートウォッチに多額投資が不要な理由』について解説する。
スマートウォッチに多額投資が不要な理由として以下が挙げられる。
- どうせ傷だらけになる
- スマートウォッチは消耗品
- スマートウォッチは高級腕時計にはなれない
- そもそも一般的に興味を持たれていない
どうせ傷だらけになる
スマートウォッチは腕に装着する分スマホと違って常に直接何かしらにぶつけたり擦ったりするリスクを伴う。
「ケースとフィルムをつけて解決すればいいじゃん」と思ったそこのあなた、残念ながらその類の製品は存在しているものの、未だに有力な保護アクセサリーがないのが現状だ。
実際私自身も裸で半年近く使用しているのだが、このようになっている。
画面には複数の擦り傷が生じている。
背面には皮脂、垢、日焼け止めなどが付着して隙間に固まってしまっている。



バンドにも黒ずみのような汚れが生じる。一般的なアルコールウェットティッシュでは落ちないためガジェット用のクリーナー等で落とす必要がある。
ディスプレイ保護フィルム・ガラスフィルムは局面加工されているディスプレイの端から徐々に剥がれ落ちてしまい、ケースはいつの間にか紛失してしまいがち。
画面ごとカバーするプロテクターも存在するが、タッチ感度が大きく低下してしまい扱いづらくなる。
タフネスケースという見た目がG-SHOCKのようになるケース兼バンドでならそのデメリットを補うことが可能だが、今度はディスプレイ周りが大きく盛り上がるためスワイプ操作の操作性が低下する。(特に文字盤変更操作)
Apple Watchに関しては安価なアルミニウムモデルよりも上のモデルにすることでディスプレイガラスがサファイアクリスタル製のものに変更されるのだが、ミドルレンジ帯のステンレスモデルは光沢加工がされているためにフレームに傷が入りやすく、ハイエンドモデルのチタニウム、(セラミック)モデルならさらに強度は上がるが、それでも完全に傷が防げるわけではない+最安でも9万円越えという金額にまで跳ね上がる。
スマートウォッチは消耗品
スマートウォッチはリチウムイオンバッテリーを内蔵しているという都合上、どうしてもバッテリーの劣化による消耗が発生する。一般的な腕時計にはバッテリー交換が容易に行えたりソーラー発電機能があるため気になりにくいが、スマートウォッチはバッテリー交換を行うにはパーツを固定している接着剤を剥がして分解することになり、修理に出してもおそらく修理代を払った上で端末交換されて終了なため、基本的には劣化したら買い換えるのが現実的。
そしてそのバッテリーは大体2年もすれば持久力がキツくなってくるため腕時計として使用したくてもバッテリーがすぐになくなるという問題児となってしまう。
「いっそ買い替えを諦めて修理し続けて長く使えば良いのでは?」という意見を持った方もいるだろうが、スマートウォッチは普通の腕時計と違い技術進歩の速度が速く、バージョンアップやインターネットに接続されるためにセキュリティアップデートなどがしばしば行われる。
使い続けていくうちに最新バージョンが来なくなったり、メーカーサポートが完全に切れて最悪修理すらしてもらえないという事態になることもあるだろう。
当然修理とは今使っている端末を延命して使うための処置であり、買い替えではないため最新機種では使える便利な機能が使えない、知らないまま新機能の存在意義を一人だけで否定し続けるという事態にもなる。
スマートウォッチは高級腕時計にはなれない
Apple Watchを含めてスマートウォッチはスマートウォッチであり、どんなに高額のモデルを購入しようが、この事実は変わらない。
このため高級腕時計のように買えば売値が徐々に高騰するというようなこともなく、スマホと同様の速度で売値が低下する、むしろボロボロになりやすいためスマホよりも低下速度が速い。売値の下がり方は基本的に価格に対する割合であるため高額モデルほど売却価格が割に合わないくらい低下しがち。
果たして2年も持てば十分で、使い込むほどボロボロになり、そして着実にリセールバリューが低下するスマートウォッチにスマホ並みの金額を投資する必要があるだろうか…?
そもそも一般的に興味を持たれていない
これも売値に関わる話だが、実際のところスマートウォッチの市場規模はスマホと比べてもかなり小さい。(2019年のデータでもスマホの販売台数の6%程度しか売れていない。データ:MM総研)
つまりスマホとセットで使用する前提になるスマートウォッチはスマホユーザーのうちの6%のみが使用しているということになる。
ここまでスマートウォッチが売れていない理由としては「普通の腕時計よりもバッテリー持ちが悪い」「腕時計として許容できるデザインのものは高い」「そもそもスマートウォッチでできることはスマホでもできるから存在意義がわからない」などが挙げられるだろう。
興味を持たれていないということはつまり、売っても買い手がなかなかつかないため売却価格が低くなりやすいということにもなる。
以上のことからスマートウォッチに多額出費をすることはかなりリスクが伴う行為であると言える。
まとめ
今回Apple Watch Series6のレビューとスマートウォッチに多額投資が不要な理由について紹介してきた。結局のところスマートウォッチは使う相手を選ぶガジェットであることは間違い無いだろうが、ハマる人にハマる神デバイスであることには変わりないだろう。
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https://www.apple.com/jp/apple-watch-series-6/