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遂にiPad Proを手に入れてからまず初めに感じたことは、感動そのものだった。「『120Hzのリフレッシュレート』によるヌルヌルのアニメーション」、「『4基のスピーカー』による立体的なサウンド」、「3Dアニメーションが全然止まらないほどの処理能力」…、至高の存在の偉大さを感じた限りだ。
Webアプリ使用時の指とキーボードによるハイテンポな作業は私の生産性を格段と向上させてくれたことは間違いない。
そして同時購入していたApple Pencilによる描画作業の効率向上によって作画作業もスマホ、マウスでやるよりも捗るようになった。
そして何より4基のスピーカー搭載という点がタブレットの特権でもある所謂「コンテンツ消費」をする際の体験を大きく変えることとなった。今まではスマホ+iPad Air第3世代の偏ったスピーカー配置での動画視聴の物足りなさ、違和感を全て取り除きながらも『より、大きな音で』、『より細かいところまで』もが大幅に向上した。これにより私は無敵の動画視聴モンスターへの変貌を遂げることになった。(いや、作業しろ)
模索
ただしかし、買ったその瞬間から私のことを悩ませるものとして『キーボード』問題があった。フルディスプレイ型のiPadにはサードパーティーのSmart Connector対応キーボードが存在しないということである。一見「Bluetoothキーボードでいいんじゃない?」という考えで落ち着きがちな問題であり私もそう思っていた。
そのため最初の頃はELECOMのキーボード一体型ケースを改修してマグネットでケースを着脱できる仕様にして使っていた。ELECOMのキーボードケースには他のBluetoothキーボード搭載型のケースにはない、キーボードが『JIS配列』であるという特権があるためUS配列のキーボードを使い慣れていない立場としては『Bluetooth接続なこと以外は求める条件に全て対応できる上に安い』ということで願ったり叶ったりなものだった。
しかし、
実際に運用してみると『キーボードのオートスリープ』、『入力遅延』、『非シームレスな接続性』、『iPadのオートスリープが使えない』という問題に直面することとなった。
バッテリー節約のためにキーボードが自動でスリープモードに入ることで使いたい時に使えなくなり、時々発生する入力遅延により思うようにタイピングができない+チャタリング発生によりストレスが蓄積し、キーボードを外してタブレットとしてiPadを使いたい時はいちいちキーボードの電源を落とさないとソフトウェアキーボードが使えなくなり、終いにはiPad専用に作られたケースでないためにケースの蓋を閉じると自動でiPadがスリープモードになる機能が使えないためわざわざ電源ボタンを押してスリープさせなければならない。
結果としてSmart Connectorで有線接続可能なキーボードの方がタブレットとしての機動性を生かすのには向いていることを理解し、最低でも2万円近くするApple純正キーボードケースを買う以外の選択肢は大抵『安物買いの銭失い』であることを身をもって知ったのであった。
実態
こうして半年以上もの期間の間、扱う環境を模索しながらサブパソコンとしてiPadを使ってきたのであったが、『使えないウェブアプリもある』、『結局パソコンではないという中途半端+扱いづらさ』という壁にぶち当たることとなった。
私はサブパソコンとして使う上で主に『ウェブアプリでの作業』、『SFTPファイル操作』という2点を重視しているのだが、いつも使用していたウェブアプリの中にはパソコン版のGoogle ChromeかFireFoxでないとアクセスすらできないものもあった。
このためにやりたかった作業も結局家に持ち帰ってメインのデスクトップで作業という『こんなはずじゃなかった』という代替策を使うこととなり、SFTPでのファイル操作もパソコンで行うのとは違いクライアントアプリが外部編集アプリと連携することができないため、特にテキスト編集において単一色で視認性の悪い文字の羅列をみながら編集し、インデントも手動でスペースを入力するというなんとも非効率なものであった。
そうして徐々にせっかく買ったiPad Proもサブパソコンとしてではなく動画などのコンテンツ消費マシーンとしての微妙な立場に追いやられていったのであった…