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【 Apple Music 】 ロスレス、ハイレゾ対応でTSUTAYAはオワコンか?

導入

 2021年6月頃から始まったApple Musicのロスレスハイレゾ、空間オーディオ対応サービス。

他ライバルサービスも本格的に参入しようとしている中で、

存在が危ぶまれるのがTSUTAYAを筆頭とするCDレンタルサービスだ。

 DVDレンタル業もAmazonプライム・ビデオなどを筆頭に厳しい立場なところに追い討ちがかかっている訳だが、

今回はApple Musicのロスレスハイレゾ音源のレビューをしてそこからTSUTAYAなどのレンタルサービスの未来を考察していく。

Apple Music ロスレスロスレスApple Digital Master?

 ロスレスとは圧縮技術の中でも、復元時にデータの損失を伴わないもののこと。一般的には16ビット、44100Hz以上の音源のこと。

 Apple Digital MasterはApple Musicに配信されている一部の音源で使用されている。

CD音源や他配信サービスで配信されているものとは異なり、

こちらはApple Music専用にマスタリングが行われた音源である。

 念は押しておくが、Apple Musicの新サービスとApple Digital Masterは直接的に関係はない。

ロスレス

 まずはロスレス。あらかじめ持ち合わせていたCD音源と同じアルバムをダウンロードして比較する。

テストで使用するCD音源はCDから直接コピーしたAIFFファイルを使用する。

 テストに用いた楽曲の容量を確認するとわずかにApple Musicのものの方が軽い。
(Apple MusicのファイルはALAC 16ビット 44100Hz)

(CD)がついていないものがApple Musicロスレスファイル。

この点が実際に音質に影響するのかもみておく必要がありそう。

 実際に聴いてみると特別聴いてわかるほどの違いはなさそう。

欠点探しと言わんばかりに比較すれば、

僅かながらApple Musicの音源の方が奥まって平面的に聴こえるかな?程度の差はある。

これはあくまでもロスレス音源の最低品質での感想であり、より上級の音質のものなら気にならない。

 ただし視聴してみて音質以上に気になったことがある。

CD音源ではしばしば曲順通りに聴いていると全ての曲がつながって聴こえる演出が用意されるのだが、

Apple Musicの音源はその繋ぎの部分がカットされているため

良くも悪くも一曲というパッケージとして作り直されている印象を受けた。

CD音源との違いはコーデックのみ

ロスレス+Apple Digital Master

 CD自体はそれ単体で楽しむことを前提としているためアルバム毎に音作りの仕方が違う。

一方でApple Digital Masterの場合は他アルバムの曲とプレイリストで連携することを考慮しているため

良くも悪くもAppleの求める音になっている。

 そのため、アルバムによって音質が完全に別物に感じる。

ハイレゾロスレス

 最大24ビット、192000Hzに対応した超高精細の音源のこと。

 この記事ではあくまでもハイレゾの素晴らしさを楽しむためでも、

Apple Musicのすばらしさを解くものでもなく

あくまでも今までCD音源にこだわってきたユーザーが

Apple Musicに乗り換えてCD離れするに相応するかを考察することがメインである。

 そのため今回の検証ではAppleが推奨しているハイレゾ対応DACで本格的な環境投資は行わず

Apple純正ライトニング3.5mmイヤホンジャックを使用しての検証を行う。

ハイレゾロスレス+Apple Digital Master

 Apple Digital Master無しのハイレゾロスレス単体で対応しているアルバムのCD版は

持ち合わせていなかったためこちらのみのレビュー。

 驚いたのは明らかに音質的に部があるはずのハイレゾロスレスよりも

CD音源の方が音の立体感と分離感で優っていたということ。

 ハイレゾロスレスの方がCD音源よりもバリバリした角が取れていて

倍音の鳴りも良かったので音質は良いと思えたのだが…

 この理由については下記にまとめる。

CDとハイレゾロスレス(Apple Digital Master)の違い

 何故ハイレゾロスレスとCD音源でこのような違いが発生したのかということを私なりに考えたところ

一つの原因が挙げられた。

それは客層の違いである。

 実は私はかつて趣味で本格的に作曲をしていたことがあるのだが、

音源を制作する際に行うミックスの過程で各パート毎の定位の位置調整のために、個別で空間エフェクトをかける。

それとは別で各パート同士で音域が干渉し合わないように

しばしばイコライザーでハイカット、ローカットを行いパート毎の特徴的な部分だけに切り取ってから使用される。

イカット、ローカットのイメージ。

そのため本来の音の成分が失われる代わりによりダイレクトで奥行きのある音を作ることが可能になる。

 つまり『原音に忠実な音』を目指すハイレゾロスレスApple Digital Masterとは

全く違うコンセプトのもとで作られたものであるということだ。

TSUTAYAはどうなる?

 Apple Musicがロスレスハイレゾロスレスに対応したことで確実に言えることは

『一般的に無用の代物』

ということである。

 当たり前のことだが、多くの音楽視聴者は楽しく気軽に聴けさえすれば手段なんてなんでも良いのである。

つまりわざわざアルバム1枚当の価格が割高で借りる、買う手間が発生するTSUTAYAを筆頭とする

レンタルサービスよりもより気軽なApple Musicを筆頭とした大手高音質音源配信サービスを使うはずだ。

 しかしこれからも音楽関係の仕事や趣味がある一部のユーザーと

アルバムという作品として音楽を楽しみたい層に愛用され続けるであろう。